技術評論社様からかんたんプログラミング JavaScript を出版していただいております。
以下に「はじめに」を掲載いたしますので是非ご一読よろしくお願いいたします。



「はじめに」抜粋

JavaScriptは、Webブラウザに搭載された最初のWebスクリプト言語です。今もなお、その位置を明け渡すことなく、事実上の標準でいつづけています。ただ、今まですべてが順風満帆というわけではなく、JavaScriptの歴史は、クロスブラウザ問題の歴史と言えるほど、Webブラウザ間の互換性の問題に振り回されてきました。現在は、ECMAScriptという標準仕様ができたことや、ドキュメントの操作にW3C DOMを採用したことなどにより、かつてに比べれば、Webブラウザ間の互換性は、確実に高くなってはいますが、今もなお、WebプログラマーやWebデザイナーの頭を悩ませていることも事実です。

   近年、Googleマップ、Googleサジェストなどの、HTMLだけでは実現できない軽快で直感的でリッチなユーザーインタフェースを持つWebサイトの登場により、Ajax(Asynchronous JavaScript And Xml)と呼ばれる非同期通信を用いた技術が話題となり、「Ajax」の技術の根幹となっているJavaScriptが再認識され、JavaScriptが再び大きく脚光を浴びています。  さらに「Prototype.js」、「script.aculo.us 」、「jQuery」、「Dojo」、「Yahoo UI Library」などの有用なJavaScriptライブラリがいくつも公開され、JavaScriptの人気に拍車をかけています。

   本書は、JavaScriptの入門書ですが、表面的な説明に終わることなく、今もなお存在しているクロスブラウザ問題への対処方法、Ajaxの仕組み、いくつかのJavaScriptのライブラリの使い方などについても、例題を使って説明しています。

JavaScriptは、Webブラウザとエディタがあれば、すぐにでも、はじめられるプログラム言語です。 「かんたんプログラミング」というシリーズ本のコンセプトに準じて、できるだけ「かんたん」で「楽しめる」例題を採用し、楽しみながら読み進められることを心がけています。

 本書を手にされた読者の方々にとって、本書が、JavaScriptの基礎をしっかり身に付けるための手助けになること、またAjaxや、JavaScriptライブラリの世界にしっかり足を踏み入れるための踏み台になれることを願っています。

2009年12月 著者 松崎澄芳